昨今、サッカー界では、日本から世界で活躍するサッカー選手は増えてきてはいますが、その多くがフォワードやミッドフィルダーの選手であり、ゴールキーパーに関しては、世界で戦える選手がかなり少ない現状がある。

そんな中、小学校4年生からサッカーのGKを努め世界でもプロ選手としてプロチームに所属した原利洋選手が、熊本でゴールキーパーを専門に指導する「ハラトシGKラボ」をスタートした。

【子供のゴールキーパーを取り巻く環境改善へ 】

日本のサッカーのゴールキーパーポジションの子どもたちは、専門的な指導が受けられずに世界へ羽ばたく機会をなかなか得られずにいるという。そこで、元プロGKとして世界で活躍した原利洋選手が、世界で活躍できる選手を日本から輩出するため、ゴールキーパー専門のコーチとして活動を始動。

サッカー界の課題の一つと言われているGK育成だが、GKを担う人材は、チーム内でも数名しかいないため、GKコーチを雇う余裕があまりない場合も多く、唯一手を使えるGKを専門的に指導できる人材が不足という。

そんな状況を変えようと、動いたのが小学校4年生からサッカーのゴールキーパーを努め、世界でもプロ選手としてプロチームに所属した原選手だ。日本のサッカー界に貢献したいとの想いで、新たに中学校の教員を辞め、熊本でゴールキーパーを専門に指導する「ハラトシGKラボ」をスタートさせた。

GK専門コーチになろうと思ったきっかけ

原選手は、小学校からサッカーを始め、福岡大学では日本代表の永井謙佑選手らとプレーし、大学3年生の夏のインターカレッジで優勝した経験を持つ。オーストラリアでもプロ選手として活躍するなど、プロのゴールキーパーとして海外経験もある。

しかし、長いサッカー選手時代のなかで、福岡大学サッカー部にて、先輩の引退がかかったリーグ戦において、GKである自分のミスから失点をしてしまい、先輩を引退させてしまったということがあったという。その後、自分のなかでもとても落ち込み、現在もその時のことを悔やんでいるという。

 「GKとしてもっと専門的な指導やトレーニングができていれば、そのミスはなかったのではないか・・・」と感じた経験が、現在の活動の原点だ。

またGKは、失点に直結しているため、試合に負けると責められやすい立場にある。しかしその一方で、専門的な指導を受けられる機会も少なく、自己流で頑張るしか他にないというのが現状だ。

日本での教員生活4年半の中でも、サッカー部の顧問をしながら、他のチームのゴールキーパーをみていると、身体能力が高そうな選手であっても、指導してもらう機会がないために、チャンスを逃している姿をみたことが、自身がGK専門のコーチとして活動をするきっかけになったという。

原選手は、日本のすべてのサッカーチームのGKがいきいきとプレーできる環境を整え、世界で活躍するGKを日本から出したいという想いとともに、現在多くの子どもたちの指導にあたっている。

ゴールキーパー専門コーチとして出張指導も

熊本県内でサッカーのゴールキーパー(GK)専門トレーニングチームを指導する他、日本全国をゴールキーパー専門のコーチとして出張指導もしている原選手。日本から世界で通用するゴールキーパーを輩出するために、熊本だけではなく、全国を飛び回りながら子どもたちの指導にあたっている。